2012年7月

アーチレングスディスクレパンシー

歯並びを整えるために、不足している、または余っているスペースのこと。単位はmm。スペースが不足している場合は-、余っている場合は+の符号をつける。スペースが不足している場合は、歯並びは叢生(ガタガタ)になり、余っている場合は空隙歯列(すきっ歯)となる。

スペースが足りない場合には、歯列矯正により歯並びの幅を広げたり、歯を後方に移動したりして、すき間を確保しますが、それでも足りない場合は抜歯を選択します。

スペースが余っている場合も見た目や発音の問題から歯列矯正治療の必要が有り、すきっ歯のスペースを閉鎖します。ディスクレパンシーとは不調和という意味で、アーチレングスディスクレパンシーの絶対値が大きいことは、歯と顎の大きさのバランスがとれていないことを表しています。

アーチファクト

CTやMRIを撮影した際に発生する、ノイズなどを原因とした実際には存在しない虚像のこと。口腔内に金属(銀歯など)が存在すると出現しやすい。

アーティキュラーレ

矯正歯科の診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎枝後縁と後頭骨基底部下縁の交点。

アクアリウム

矯正歯科専門分析ソフトDolphinのアプリケーション。患者説明用動画ソフト。数十種類の動画が有り、歯列矯正治療の過程、矯正装置の使い方などをわかりやすく解説している。国内にも導入している歯科医院が有る。

アクチバトール

activator。アクチベーター、FKO(エフカオー)とも言う。機能的矯正装置の一つ。成長期の子供の矯正治療に用いる。骨格に合わせて上顎、下顎の成長促進、成長抑制を行い、バランスの良い骨格に近づけるための矯正装置。

アシンメトリー

asymmetry。非対称であること。矯正歯科の分野では、骨格や歯列の左右非対称性に対して用いられる事が多い。また、アシンメトリーフェイスボウという左右の遠心移動量が異なる場合に用いられるものもある。⇔シンメトリー symmetry。

アスティクスリテーナー

アスティクスリテーナー唇側線が歯の色に近い白いグラスファイバーで出来ており、装着していてもほとんど目立ちにくいプレートタイプのリテーナー

マウスピース型矯正装置(アソアライナー)

アソインターナショナル社独自の、透明のマウスピース矯正装置。起源は韓国である。原則的にマウスピースを食事の時を除いて一日中使用して歯の移動を行う。透明であるため、殆ど人に気づかれずに歯列矯正を行うことができる。

石膏模型を分割、セットアップし、セットアップ模型からマウスピースを作成する。1回の印象採得で3ステップ分までマウスピースを作成することが可能である。矯正治療開始時のシリコン印象をスキャンして、全マウスピースを一度に作成するマウスピース型矯正装置(インビザライン)と比較すると、印象採得の回数が多くなるが、その分、治療方針の修正が容易である。

アタッチメント

矯正治療においてはリンガルボタンやシーガルボタン、クリートなどの留め具を指す。主に歯面へダイレクトボンディングするが、バンドに溶接する場合も有る。

後戻り

歯列矯正治療の終了後に、歯が元にあった位置の方向へ戻ってしまうこと。リテーナーの使用状況が悪いと起こる。また、外科的矯正治療の終了後に顎骨が元の方向に戻ることも言う。

アンカレッジ

固定のこと

アンカレッジロス

固定の喪失。例えば、出っ歯の矯正治療で小臼歯を抜歯した場合、抜歯して獲得したスペースは当然、出っ歯である前歯を後退させるために使われるべきである。前歯を後退させるための固定源は臼歯に求められるが、その際に臼歯がスペースに向かって動いてしまうことをアンカレッジロスと言う。

治療計画以上のアンカレッジロスを起こしてしまうと、前歯が十分に後退しないことになってしまうため、固定源の強化は重要である。

アングル分類

1899年にAngleが提唱した、第一大臼歯の噛み合わせの関係を表す分類。理想的な噛み合わせの状態がI級、上顎の第一大臼歯が前方にある場合がII級、その逆がIII級である。出っ歯の場合はII級、受け口の場合はIII級になっていることが多い。

鞍状歯列弓

小臼歯が内側に入っている歯並びのこと。下顎で起こりやすい。下顎の第二小臼歯は生える順序が遅いために、場所が足りないと内側に生えてしまうためである。

アンダーレイ

ワイヤー結紮の手技の一つ。歯列矯正用のメインワイヤーの下に、細いワイヤーを通し、合わせてブラケットやチューブに結紮すること。

関連項目:オーバーレイ

アンチクロックワイズローテーション

anti-clockwise rotation。矯正治療の結果、下顎下縁平面が反時計回りに回転すること。下顎下縁平面角が減少する方向への下顎骨の回転を表す。

異常嚥下癖

成人の嚥下では舌尖が口蓋前方に接触しているが、異常嚥下癖がある人では、舌が固有口腔から突出し、上下前歯間に入り込んでいる。このため、開咬の原因となる。

移植

歯を移植すること。移植と言っても他人の歯を移植するわけではなく、自分の歯を別の場所に移すことを言う。例えば、歯を失ってしまったところに親知らずを移植するなど。

1期治療

子供の矯正治療のこと。小児矯正治療、予防的矯正治療とも言う。矯正治療は歯並びの年齢によって2段階に分かれていて、乳歯と永久歯が混ざった混合歯列期の矯正治療を1期治療と言う。

そして、永久歯列に対するマルチブラケットによる本格矯正治療(ワイヤー矯正)を2期治療と言う。子供の矯正治療の目的は、成長を利用して骨格的なバランスをとること、永久歯列へのスムーズな生え変わりを誘導することである。

子供の矯正治療を行うことによって、本格矯正治療をより良い条件で行うことができる。また、将来的な抜歯や手術の回避に繋がる。1期治療を行うことにより、2期治療が不要になる場合も有る。

カスタムメイド舌側装置(インコグニート)

カスタムメイド舌側装置(インコグニート)ドイツで開発された舌側矯正のシステムの一つ。装置が薄く違和感が少ない。ブラケットおよびブラケットベースが金でできている。

※カスタムメイド舌側装置(インコグニート)は海外技工物のため、完成物が薬事法対象外となります。
完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

●メリット
既製品と違い、オーダーメイドの装置なので、装着によるストレスを軽減し、より良い治療結果が得られます。
矯正装置の異物感が少なく、痛みや発音障害がおきにくいです。

●デメリット
カスタムメイドの装置のため装置の準備まで時間がかかります。
また、治療の期間もかかります。費用が従来の装置よりも高額になります。

舌側矯正ガイドはこちら
舌側矯正

インターディシプリナリーアプローチ

interdisciplinary。「学際的な」という意味。さまざまの領域の学者や専門の医師が協力し合うこと。歯科におけるインターディシプリナリーアプローチとは、虫歯は一般的な歯科医師、抜歯は口腔外科を担当する医師、歯列矯正は矯正を専門とする歯科医師、静脈内鎮静法は麻酔科の医師が行うというように各分野の専門を担当する医師が協力して治療にあたることを言う。

インターブラケットスパン

歯列矯正用ブラケット同士の間の距離のこと。インターブラケットスパンが小さいと、ワイヤーの自由度が小さくなる。これが舌側矯正の難易度が高い理由の一つである。

院内感染

医療機関にいる間、また医療行為を受けて何らかの病原体の感染を受けること。横浜フォルテ矯正歯科では院内感染を予防するため、患者さんごとのグローブの交換の徹底、オートクレーブによる機材の滅菌を行っています。

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)

透明のマウスピース矯正装置。世界中で約200万人の治療実績を持つ。舌側矯正(歯の裏側からの矯正)と同様、人に気付かれにくくに矯正治療を行える方法の一つ。

マウスピースは終日の装着が必要であるが、食事の際には外す。2週間に1度新しいマウスピースに交換し、歯を移動していく。表側矯正と比較し、目立ちにくいことの他、虫歯になりにくい、痛みが少ないというメリットも有る。

ただし、どんな症例でもマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)で治療が可能と言うわけではないので、矯正を専門とする歯科医師による判断が好ましい。

インプラント矯正

歯を動かす固定源として歯科矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント)を用いた歯列矯正のこと。歯科矯正用アンカースクリューは直径1.4〜2.0mmほどの細いネジ。これを用いることによって、従来は不可能であった治療計画も可能になった。

うけ口・受け口

前歯の反対咬合のこと。下の前歯が上の前歯より前方に位置している噛み合わせのこと。審美的でないだけでなく、奥歯への負担が大きい噛み合わせとなるため、統計的に歯を失いやすいことがわかっている。矯正治療の必要がある不正咬合の中では、最も早期から治療が開始される。

エキスト、エキストラクション

extraction、抜歯のこと。extと略される。矯正治療のために抜歯を行うことを便宜抜歯という。歯列矯正における抜歯部位は小臼歯となることが大多数である。

エクストルージョン

歯の矯正的挺出のこと。MTMにおいて行われることが多い。

エステティックライン(E-line)

側貌(真横から見た顔)において、鼻の先と、顎の先を結んだラインのこと。このライン上に上下唇の先端が有るのが美しいとされる。唇の位置は前歯の位置に大きく影響を受けるため、出っ歯(上顎前突)の人はE-lineに対して口元が突出し、受け口(反対咬合)の人はE-lineに対して口元が後退します。

矯正治療は歯並びだけでなく、顔貌の審美性も考慮して治療計画を立てなくてはなりません。無理な非抜歯による歯列矯正を行うと、口元が突出してしまうことが有るので注意が必要です。

エンドカッター

ワイヤーエンドを切断するための矯正用プライヤー。口腔内でも使用できるタイプは、カットした際にワイヤーが飛んでいってしまわないように、カットした部分を把持できる構造になっている。

エンドチューブ

歯列矯正用バッカルチューブの一つで、主に最後臼歯に装着するもの。ウイングが無いので高径が低い。

オーバーコレクション

矯正治療後の後戻りを想定して、あえて必要量を超えた歯や顎の移動を行うこと。矯正治療後の後戻りのリスクの高い、歯の強い捻転などに用いられることがある。

オーバージェット

上下顎中切歯の水平的な距離のこと(上の前歯と下の前歯の水平的な距離のこと)。単位はmm。出っ歯の場合は大きな値となり、切端咬合の場合は0、反対咬合(うけ口)の場合は負の値となる。

関連項目:オーバーバイト

オーバーバイト

上下顎中切歯の垂直的な被蓋のこと(上の前歯と下の前歯の垂直的な重なりのこと)。単位はmm。正被蓋の場合は正の値、切端咬合の場合は0mmm、開咬の場合は負の値となる。オーバーバイトが大きい噛み合わせを過蓋咬合と言う。

関連項目:オーバージェット

オーバーレイ

ワイヤー結紮の手技の一つ。歯列矯正用のメインワイヤーの上に、細いワイヤーを通し、合わせてブラケットやチューブに結紮すること。

関連項目:アンダーレイ

オープンコイル

歯と歯の間のスペースの獲得や保隙の目的でアーチワイヤーに装着するコイル。ニッケルチタン、ステンレス、コバルトクロム、ベータチタンなどのものが有る。

オメガループ

アーチワイヤーに付与する基本的なループの一つ。オメガ記号に形が似ていることから呼ばれる。タイバックに用いたり、ストッパーに用いたりする。

関連項目:ループフォーミングプライヤー

親知らず

第三大臼歯、智歯のこと。親が気付かない年頃に生えるという歯という意味である。人間の歯の数は退化傾向にあるため、親知らずの一部あるいは全部が先天的に無い人も多い。近代日本人では親知らずまで綺麗に並ぶということは殆ど無く、生えてきても中途半端に歯肉に埋まっており、炎症の原因となることが多い。

オルビターレ

セファログラムの計測点の一つ。眼窩外縁上の最下方に位置する点。フランクフルト平面に接する。

開咬

かいこう。奥歯で咬んだ時に、前方の歯が当たらない不正咬合を言う。噛み合わせの負担が奥歯に集中するため、歯を失いやすい。開咬は悪習癖との因果関係が強く、舌突出癖(異常嚥下癖)や、吸指癖(指しゃぶり)などがあると開咬になりやすい。

子供の開咬の矯正治療は悪習癖の除去が主となる。タングクリブなどの矯正装置を用い、筋機能療法を行う。大人の開咬の矯正治療はマルチブラケットによる歯列矯正となる。悪習癖が残っていると、いくら矯正治療を行っても開咬が再発するため、大人の場合でも筋機能療法は不可欠である。骨格的な開咬が著しい場合は、外科的矯正治療の対象となる。

過蓋咬合

かがいこうごう。不正咬合の一つ。噛み合わせが深いこと。オーバーバイトが大きいこと。噛み合わせた時に下の歯がほとんど見えないため、審美的でない。また、顎関節に負担のかかりやすい噛み合わせであると言われている。

下顎下縁平面角

フランクフルト平面と下顎下縁平面のなす角度。FMA、Mandibular plane angleとも言う。その角度と噛み合わせの力は反比例する傾向にある。

下顎前突

かがくぜんとつ。頭蓋に対して下顎骨が前方位をとっているもの。うけ口。前歯部が反対咬合とは限らない。

関連項目:上顎前突

顎変形症

骨格的な不調和が、顎の手術(外科的矯正治療)を必要とするほど大きなもの。歯列矯正による歯の移動と、顎の手術を併用して治療する。指定を受けた医療機関では、歯列矯正、顎の手術ともに健康保険の適用が可能である。

重ね合わせ

異なる2時点以上のセファログラムを用いて、成長の度合いや治療の効果を比較検討すること。Superimposition.セファログラムは規格写真であるため、文字通りレントゲンを重ねて見ることによって比較することができる。

顎間ゴム

がっかんごむ。固定源の確保や、咬合の緊密化を目的として、上顎と下顎のそれぞれのフックにかけるゴム。患者自身が取り外しをし、基本的には終日使用する。顎間ゴムの使用頻度が治療の結果を大きく左右することも多い。

ガミースマイル

笑った時に上顎の歯肉が過度に露出すること。出っ歯や、上顎骨の垂直的な過成長、短い上唇などが原因。矯正治療により改善が可能であるが、重度のガミースマイルの改善には手術を必要とすることもある。

カラーゴム

矯正治療をオシャレに楽しみたいという人のための、色のついた結紮用のゴム(モジュール)。様々な色があるが、ピンクなどのパステルカラーが人気。

吸指癖

きゅうしへき。指しゃぶりのこと。2歳までは正常だが、それ以降は歯並びに悪影響を与えるため、やめさせた方が良い。上下の前歯の間に指が入り込むため、上下の前歯が当たらない開咬や出っ歯の原因となる。また、吸い込む力が上顎歯列の狭窄の原因となる(上顎の歯並びが狭くなる)。

関連項目:狭窄歯列弓

急速拡大装置

急速拡大装置上顎骨の幅を短期間で拡大する装置のこと。Rapid Maxillary Expansion。上顎の正中口蓋縫合を離開させて拡大を行うため、骨化の完了する中高生までの使用が望ましい。

上顎の歯槽骨の幅が、下顎のそれに対して狭い場合に有効な装置である。装置の使用中に上顎前歯に正中離開が生じるが、拡大が奏功している証拠であり、後で閉鎖すれば問題無い。

狭窄歯列弓

幅の狭い歯並びのこと。異常な頬圧や、指しゃぶり(吸指癖)などが原因でなることが多い。上顎の前歯が押し出されて出っ歯の歯並びになることが多い。歯列矯正治療により改善することができる。

矯正用インプラント

歯を動かすための絶対的な固定源として矯正治療の間だけ骨に埋めるインプラントのこと。直径1.4〜2.0mmほどの小さなスクリュータイプとプレートタイプが有る。矯正用インプラントにより、従来であれば外科的矯正治療を必要としたような症例の一部が、手術をせずに治療できるようになった。2012年日本矯正歯科学会によりガイドラインが作成され、歯科矯正用アンカースクリューという名称となった。

頬側転位

ある奥歯が、他の歯と比べて、外側に飛び出してしまっていること。前歯の場合は唇側転位(しんそくてんい)と言う。

筋機能療法

MFT ; Myo Functional Therapy. 矯正装置を特に用いることなく、口のまわりの筋肉の正しい使い方をトレーニングすることにより、不正咬合を改善する治療法。矯正装置と併用して行われる場合も多い。

金属アレルギー用矯正装置

特定の金属に対してアレルギーのある患者さんに用いられる、金属を含まない、あるいは生体親和性の高い金属を用いたワイヤーやブラケットなどの矯正装置のこと。

グナチオン

セファログラムの計測点の一つ。顔面平面 (Na-Pog)と下顎下縁平面となす角の二等分線がオトガイ隆起前縁と交わる点。

クロスエラスティック

部分的な交叉咬合や鋏状咬合の解消のために用いられる顎間ゴムの掛け方。相反固定を利用している。

クワドヘリックス

クワドヘリックス歯列矯正装置の名称。上顎の歯並びの拡大に用いられる、4つのループを含んだワイヤーの固定式拡大装置。歯並びの幅を広げてスペースを獲得できるため、歯を抜かない矯正治療を行う場合に用いられることが多い。

結紮線

歯列矯正用ブラケットにメインワイヤーを結びつけるための細いワイヤーのこと。いくつかの太さの種類があるが、いずれも直径.010インチ前後である。一般的には銀色であるが、審美性を重視した白い結紮線も存在する。

口蓋側転位

上顎のある歯が、他の歯と比べて内側に飛び出してしまっていること。下顎の歯の場合は舌側転位(ぜっそくてんい)と言う。

口唇閉鎖不全

口元が出ており、口がうまく閉じられないこと。いつも口が開いている、口を閉じた時に顎に皺(しわ)ができるなど。口腔内が乾燥しやすく、虫歯や歯周病の原因菌の繁殖、口臭、ドライマウスなどの原因となる。矯正治療により改善が可能。

咬唇癖

こうしんへき 。唇を噛む悪習癖。ほとんどの場合は下唇を噛む癖で、その力により、上顎前歯は唇側に傾斜し、下顎前歯は舌側へ傾斜するため、上顎前突(出っ歯)になる。リップバンパーにより防ぐことができる。

関連項目:吸指癖咬爪癖

咬爪癖

こうそうへき。爪を噛む癖。開咬の原因となる場合があるため、やめさせた方が良い。

関連項目:吸指癖咬唇癖

ゴニオン

歯科矯正学の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎枝後縁(Ar-Ramus down)と下顎下縁平面が交わる角の二等分線が下顎骨縁と交わる点。

小林フック

先端に顎間ゴムをかけるためのフックがついている結紮線のこと。強度が求められるため、通常の結紮線より太い径のもの(.010〜.014inch)を用いることが多い。

コルチコトミー

歯列矯正治療の開始前に歯槽骨に刻み目を入れて、代謝を良くして歯の動くスピードを上げる手術のこと。

コンバーチブルチューブ

第一大臼歯に装着する歯列矯正用バッカルチューブの一つで、取り外しのできるのキャップを備えたもの。キャップを取り外すと、ツインブラケットとして使用できる。

歯科矯正用アンカースクリュー

歯を動かすための固定源として歯槽骨に埋入する直径1.4〜2.0mmの細いネジ。以前は矯正用インプラント、マイクロスクリュー、ミニスクリューなどと様々な名称で呼ばれていたが、2012年に日本矯正歯科学会がガイドラインを作成し、歯科矯正用アンカースクリューに統一された。専用のドライバーを用いて、少量の局所麻酔下で埋入する。使用後は容易に撤去が可能である。歯科矯正用アンカースクリューを用いることにより、従来では不可能であった治療計画が実現できるようになった。

歯槽基底弓長径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。左右第一大臼歯遠心接触面から中切歯唇側歯肉最深部の距離。大坪式模型計測器などで計測する。Basal arch length.

関連項目:歯列弓長径歯槽基底弓幅径

歯槽基底弓幅径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。左右第一小臼歯の根尖に相当する歯肉最深部間の距離。模型上で矯正歯科用ノギス等で計測する。Basal arch width.

関連項目:歯列弓幅径歯槽基底弓長径

上顎前突

じょうがくぜんとつ。頭蓋に対して上顎骨が前方位をとっているもの。または単純にオーバージェットが大きいことを指して言う。出っ歯や口元の突出の原因となることが多い。

関連項目:下顎前突

上顎前方牽引装置

じょうがくぜんぽうけんいんそうち。フェイシャルマスク。うけ口(反対咬合)の治療に用いられる。上顎の成長期に適用される。上顎骨の成長を促し、骨格性の反対咬合を治療する。フェイシャルマスクは取り外しのできる矯正装置で、就寝時を含めて、在宅時に使用する(1日10〜14時間)。

歯列弓長径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。歯並びの長さをあらわす分析値。大坪式模型計測器などで計測する。左右第一大臼歯遠心接触点を結ぶ線から中切歯切縁までの距離。Coronal arch length.

関連項目:歯列弓幅径歯槽基底弓長径

歯列弓幅径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。歯並びの幅をあらわす分析値。模型上でノギスで計測する。左右の第一小臼歯頬側咬頭頂間の距離。Coronal arch width.

関連項目:歯列弓長径歯槽基底弓幅径

唇側転位

ある前歯が、他の歯と比べて外側に飛び出してしまっていること。奥歯の場合は頬側転位(きょうそくてんい)と言う。

シンチバック

歯列矯正用ワイヤーの端が唇や頬に刺さったり、抜けてしまったりすることを避けるために、ワイヤーの端を曲げ込むこと。形状記憶合金の歯列矯正用ワイヤーの場合は、シンチバックプライヤーを用いるか、ワイヤーの端をあえて焼き鈍して形状記憶能力を喪失させて行う。

シンチバックプライヤー

シンチバックを行うための矯正歯科用ブライヤー。左右が別々になっており2本必要なタイプと、1本で兼用するタイプがある。シンチバックプライヤーを用いるとチェアタイムを短縮することができるが、一点に力を集中させて屈曲しているため、元に戻す場合はワイヤーが破折することが多い。

睡眠時無呼吸症候群

sleep apnea syndrome; SAS. 睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気。肥満との関連が強いことは良く知られているが、下顎後退症との関連が近年取りざたされている。

ストリッピング

歯のサイズを僅かに小さくするために歯を削ること。歯列矯正を行う上で、歯を排列するスペースが少量足りない時、上下の歯の大きさのバランスが悪い時、左右の歯の大きさのバランスが悪い時などに行われる。ディスキングとも言われる。

スピード矯正

学術的な用語ではなく、日本の一般開業医による造語のため、明確な定義は無い。コルチコトミー(歯槽骨に刻み目を入れる手術)により歯の移動速度を速めるものを指す場合や、歯を削って被せものをして見た目上の歯並びを整える方法を指す場合が有る(歯根の位置は変わらない)。歯並びが悪いまま歯を削って無理に被せものをすると、歯の神経が死んでしまったり、被せものが割れるたびにを取り替えて、非常に高い維持費が必要となるため、安易に選択しないよう注意が必要である。

正中離開

上顎中切歯(上の真ん中の前歯)の間があいていること。萌出したばかりの上顎中切歯は正中離開を起こしているのが普通であり、隣の歯(側切歯)が萌出する際に閉鎖することが多い。

関連項目:醜いアヒルの子の時期

舌側矯正

矯正歯科学では舌側矯正(ぜっそくきょうせい)が正しい。歯を動かすためのワイヤーを通すブラケットを、歯の裏側(舌側)に装着する矯正治療法のこと。見えない矯正装置であるため、他人に気づかれずに歯並びを良くしたい人、矯正装置の見た目に強い抵抗がある人に勧められる。舌房(舌の置き場)が狭くなる、発音に影響が出る場合が有る、などのデメリットがある。

舌側転位

ある歯が、他の歯と比べて、内側に飛び出してしまっていること。舌があるのは下顎なので、下顎の歯のことを言う場合が多いが、上顎の歯を指すこともある。上顎の歯の場合は口蓋側転位(こうがいそくてんい)と言うことが多い。下顎の歯を指して、口蓋側転位と言うことは無い。

セファログラム

頭部X線規格写真のこと。矯正治療の検査で必ず撮影する横顔のレントゲン写真。骨格や歯の傾きを詳しく分析することができる、世界共通の規格写真であるため、異なる施設で撮った2時点のセファログラムを重ね合わせ、比較検討することができる。大学病院や矯正を専門とする歯科医院では矯正治療開始前に必ず撮影し分析が行われる。

セラ

セファログラムの計測点。トルコ鞍中心点。S 点はトルコ鞍の壷状陰影像の中心点と定義される。視診によって求める。

セラミックブラケット

セラミックでできた歯列矯正用、審美ブラケット。同じく審美ブラケットであるプラスチックブラケットと比較し、変色に強い。反面、比較的サイズが大きい、非常に硬いため、対合歯の摩耗のリスクが有る、などのデメリットも有る。

セルフライゲーションブラケット

開閉する蓋を装備しており、蓋を閉めることによってワイヤーを把持し、結紮を不要にしているブラケットのこと。ワイヤーが滑る際の摩擦が少ないため、矯正治療での歯の移動に伴う痛みが少ないとされている。矯正治療期間が短縮できるという説も有るが、最近では治療期間に有意差は無いという報告も多い。チェアタイムが削減できるのは疑いようのない事実である。

叢生

歯並びの不正、ガタガタ。crowding。歯と顎の大きさのアンバランス(アーチレングスディスクレパンシー: 歯に対して顎が小さい、顎に対して歯が大きい)から生じる。また、筋機能の異常(異常な頬圧など)や、歯周病などから叢生を生じる場合も有る。

ターミナルプレーン

上下顎の第二乳臼歯の遠心面が成す近遠心的な面のこと。遠心面が一致しているバーティカルステップ、下顎第二乳臼歯が遠心に位置するディスタルステップ、下顎第二乳臼歯が近心に位置するメジアルステップの3パターンがある。リーウェイスペースの量に上下顎で差が有るため、バーティカルステップとディスタルステップは永久歯列ではAngle I級かII級となる。メジアルステップはAngle III級となる。

関連項目:アングル分類

タイポドント

歯科矯正学の実習に用いられる、ワックスに人工歯を埋めた模型のこと。実際に臨床で行うのと同じように、人工歯にブラケットとワイヤーを装着する。お湯にタイポドントを浸けることにより、ワックスが軟化して、人工歯が移動する仕組み。

ダイレクトボンディング

歯列矯正用ブラケットを歯に直接、接着すること。現在では当然であるが、東京医科歯科大学の矯正歯科において世界で初めてダイレクトボンディングが行われるまでは、歯列矯正治療では全ての歯にバンドが装着されていた。

タングクリブ

異常嚥下癖のある患者に対して、舌を出すことをできなくするクリブを組み込んだ装置。プレートタイプとワイヤータイプが有る。

タングクリブタングクリブ

智歯

ちし。親知らず、第三大臼歯の別名。wisdom teethの和訳に由来する。分別がつく年頃に生える歯という意味でwisdom teethと言うようである。

チンキャップ

子供の下顎前突(うけ口)の治療に用いられる矯正装置。下顎が大きい場合や位置が前に出ている場合に用います。チンキャップの装着により、下顎の成長の抑制や、位置の変化による、上下の顎のバランスの調整を図ります。夜間を中心に10~12時間以上装着することが望ましく、一般的に骨の成長が活発になる前(個人差はありますが9~15歳頃)の患者さんに使用されます。

ツイードアーチベンディングプライヤー

歯列矯正用のアーチワイヤーを屈曲するためのプライヤー。ファーストオーダーベンドからサードオーダーベンドまでの屈曲を行える。サードオーダーベンドの際には2本のプライヤーが必要となる。

ツインブラケット

歯列矯正用ブラケットの形態の一つで、結紮線をかけるウイングが4つあるもの。現在では最もポピュラーなブラケットの形態である。ウイングが2つしかないシングルブラケットと比較し、近遠心的な幅が大きいため、歯の動きのコントロール精度が高い反面、インターブラケットスパンは短くなる。

ツインブロック

ツインブロック機能的矯正装置の一つ。上下顎分離型であるため、比較的違和感が小さい。上下顎にそれぞれ拡大ネジを組み込むことができる。斜台にレジンを添加することにより再活性化が可能である。

低位

ある歯が、他の歯と比べて、歯頚側に位置すること(低い位置にあること)。後から萌えた歯の、萌出スペースが足りない場合や、骨性癒着がある場合などに起こる。

低位唇側転位

ある歯が、他の歯と比べて、低い位置で、しかも歯並びの外側にはみ出していること。後から萌えてきた歯の萌出スペースが足りない場合に起こる。上顎の犬歯は、他の歯と比べて遅れて萌えてくるため、スペースが足りないと低位唇側転位となる。これがいわゆる八重歯である。

ディスキング

歯のサイズを僅かに小さくするために歯を削ること。矯正治療を行う際に、歯を排列するスペースが少量足りない時、上下の歯の大きさのバランスが悪い時、左右の歯の大きさのバランスが悪い時などに行われる。ストリッピングとも言われる。

デッドマン方式

レントゲン機器の使用で、照射中にスイッチから手を離すと、照射が止まる方式。例えば、レントゲン撮影中の子供が激しく動いてしまい、撮影が失敗に終わったと分かった段階でスイッチから手を離すことで、無駄な被曝を避けることができる。日本ではデッドマン方式が法律で義務づけられている。歯科衛生士や歯科助手はレントゲンの曝写スイッチを押すことはできない。

出っ歯

上の前歯が下の前歯に対して、過度に前方に位置している歯並びのこと。オーバージェットが大きいこと。審美的に良くないほか、奥歯にかかる負担が大きい噛み合わせである。また、口が閉じづらく、歯周病やドライマウスの原因となる。大半の場合は、歯列矯正により治療が可能であるが、著しい出っ歯の場合に、外科的矯正治療が必要となる場合も有る。

デンタルフロス

歯と歯の間(隣接面)の清掃のために用いる糸のこと。薬局などでも購入できる。滑りを良くするためにワックスを含んだものや、ミントフレーバーのものもある。歯間の清掃のために非常に有効である。

矯正治療中はワイヤーが邪魔になり、市販のものでは通すのが困難になるが、ワイヤーの下を通しやすいように柄のついた歯列矯正用デンタルフロスも有る。

頭部X線規格写真

矯正治療の検査で必ず撮影する横顔のレントゲンのこと。セファログラムとも呼ばれる。骨格や歯の傾きを詳しく分析することができる、世界共通の規格写真である。大学病院や矯正を専門とする歯科医院では矯正治療開始前に撮影し分析が行われる。

ドライマウス

唾液が少なくなり、口の中が乾く病気で、何らかの原因によって唾液が出にくくなったり口の中が乾燥して、口臭などの様々な症状が生じること。出っ歯で口が閉じにくいなど、歯並びが原因の場合は、歯列矯正治療により改善が期待できる。

トルク

歯の動きの一つで、歯冠を回転中心とした歯根の動きのこと。また、そういった歯の動きを起こすための力のこと。

ナイトガード

歯軋りによる歯や顎への負担を軽減するためのマウスピース。保険適用で作成することができる。矯正治療を行う場合は、矯正治療終了後の歯並びに合わせて作成する。

ナジオン

矯正歯科の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。N点とも呼ばれる。鼻骨前頭縫合の最前点として定義される。セラとナジオンを結ぶ平面をSN平面と言う。

ナンスのホールディングアーチ

ナンスのホールディングアーチ永久歯の抜歯をともなう矯正治療で、上顎の奥歯が前方に移動しないように留めておく為の固定式の矯正装置。

歯列矯正における加強固定を目的に使用します。前歯を大きく後方に下げる必要があるときに使用します。初めは違和感や発音への影響が有りますが、数週間で慣れるケースが殆どである。歯列矯正治療の期間を通じて装着されることはほぼ無く、治療中に必要なくなった段階で撤去される。

2期治療

歯列矯正用ブラケット装置とワイヤーを用いた永久歯列の本格矯正治療のこと。対して子供の時期の準備段階の矯正治療のことを1期治療と言う。1期治療を行っていなくても、本格矯正治療のことを2期治療と言う場合も有る。1期治療を行うことにより、2期治療を非常に有利に進めることができ、2期治療が不要になる場合も有る。

日本矯正歯科学会

日本の矯正歯科学会の中で、最も大きな規模の学会。1926年に発足、現在会員数は6,000人を超える。毎年秋に、日本矯正歯科学会大会が開催されている。資格制度も整備されている。

抜かない矯正

非抜歯矯正。抜歯を行わずに歯列矯正治療を行うこと。歯の排列のスペース獲得のために、歯列の拡大や大臼歯の遠心移動、歯のディスキングなどを行い、抜歯の回避を図る。

治療計画を立案する際は、できるだけ歯を保存する方法を選択するのが当然であり、様々な角度から歯を抜かない矯正治療方法を検討する。しかしながら、限度を超えた非抜歯矯正は骨の薄いところに歯を移動してしまったり、口元を突出させたり、かえって健康や審美性を害する結果を生むため、的確な診断が必要不可欠である。

捻転

歯が捻れて生えていること。その回転方向によって近心捻転と遠心捻転が有る。比較的後戻りが起こりやすい。

ノギス

距離を計測する道具である。歯冠幅径を計測しやすいよう矯正歯科用ノギスでは特に先端が尖っている。

ノンエキスト

non-ext。non-extractionの略で、非抜歯という意味。⇔エキスト、ext。

バードビーク

矯正用プライヤーの一つ。ワイヤーの屈曲に用いる。鳥のクチバシのような形をしていることからこう呼ばれる。

ハーブスト

成長期の子供に用いる、下顎骨の成長促進を目的とする固定式の矯正装置。同様の目的では取り外しのできる装置を用いるのが一般的で、それほど多く用いられてはいない装置である。

バイオネーター

バイオネーター子供の矯正治療に用いられる、取り外しのできる機能的矯正装置の一つ。上顎前突過蓋咬合の子供に対して用いられることが多い。拡大ネジを組み込むことができる。FKOと比較すると通気性が良い。

バイヘリックス

バイヘリックス歯列矯正装置の名称。固定式の歯列拡大装置の一つ。クワドヘリックスはヘリカルループを4つ有するが、バイヘリックスは2つである。下顎では舌があるためクアドへリックスの装着が困難であり、バイヘリックスが用いられることが殆どである。

バジオン

矯正歯科学の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。大後頭孔の最前縁部の正中点で、頭蓋底の最後橋。

発育空隙

乳歯は大体2歳半で生え揃いますが、その後も顎が発育するため、乳歯の歯並びにはすき間ができるのが正常です。このすき間を発育空隙と言います。大きな永久歯が生えるために必要なすき間です。6歳頃から永久歯への生え変わりが始まるので、それまでに発育空隙ができている必要があります。これが無い場合は殆ど大人の歯並びがガタガタになってしまいます。

パワーチェーン

矯正的な歯の移動のために用いられるゴムのこと。劣化するため、治療毎の交換が必要である。牽引に必要な力に応じて、力の弱いものから強いものまで、幾つかの種類が有る。

反対咬合

一般的にうけ口と呼ばれる、下の前歯が上の前歯より前に出ている噛み合わせのこと(厳密には前歯に限らない)。オーバージェットがマイナスの値であること。審美的に良くないだけでなく、アンテリアガイダンスが欠如しているため、治療の必要性が高い不正咬合である。

バンドコンタリングプライヤー

変形した歯列矯正用バンドを整形するためのプライヤー。先端の凸面と凹面でバンドを挟み込むように使用する。

バンドシーター

術者の力を利用するバンドプッシャーに対して、患者の咬合力を利用して、バンドを歯間に挿入するための道具。先端の凸部の形態はいくつかの種類が存在する。

バンドプッシャー

患者の歯間にバンドを挿入するための器具。手を滑らせると危険なため、しっかりとレストを置いて使用することが必要である。患者の咬合力を利用するバンドシーターと併用することが多い。

バンドリムーバー

歯列矯正用のバンドを撤去する為のプライヤー。支点となる部分を臼歯の咬合面に押し当て、バンドのエッジに先端を引っ掛けて上方へ引き上げるように使用する。

ピーティーポイント(PT-point)

矯正歯科の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。セファログラム上で見られる翼口蓋窩後壁と正円孔下縁との交点。

ヒートベンダー

高熱を通すことにより、形状記憶合金のワイヤーを屈曲できるようにした機器。2本のベンディング用プライヤーを装備している。

鼻唇溝

びしんこう。一般的にはほうれい線と呼ばれる。鼻の両脇から唇の両端に伸びる溝(皺)のこと。加齢によって目立つようになる。

ピンカッター

結紮線モジュールパワーチェーンなどを切断するためのプライヤー。ピンアンドリガチャーカッター、カッティングプライヤーとも言う。アーチワイヤーに関しては、細いサイズのもの以外は切断の適用外である。

不正咬合

健康上問題の有る噛み合わせのこと。歯並びのガタガタ(叢生)、出っ歯(上顎前突)、うけ口(反対咬合、下顎前突)、すきっ歯、噛み合わせが深い(下の歯が見えない、過蓋咬合)、開咬、口元が出ているなどがある。

部分矯正

一部に歯にだけ装置を装着し、歯並びの気になる部分だけを矯正治療すること。また、歯を補う治療の前処置として、歯を理想的な位置へ動かすこと(インプラントを埋入するすき間の獲得、ブリッジのために歯の平行性を獲得するなど)。どんな症例にも適用できるわけではないが、短い期間、低いコストで問題点を解消できることもある。

部分矯正について

ブラケット

ブレースとも言う。歯を矯正的に移動させるワイヤーを結紮するための固定式の装置。歯に接着するため、患者が取り外すことはできない。以前は全てメタルブラケットであったが、近年では半透明のブラケットが主流である。

プラスチックブラケット

プラスチックでできた歯列矯正用、審美ブラケット。セラミックブラケットと比較し、柔らかいため、対合歯を損傷するリスクが無い。また、メーカーにもよるがセラミックブラケットより装置が一回り小さいことが多い。プラスチックであるため、吸水するが、最近のプラスチックブラケットは変色も少ない。

ブラックトライアングル

歯と歯の間の歯茎が下がってしまい、そのすき間が黒い三角形に見えること。歯周病が進行すると見られる。歯並びがガタガタで長年経過している部分は歯茎が下がっていることが多いため、高齢者の歯列矯正治療の後ではブラックトライアングルが目立ってしまうことが有る。

変色歯

着色ではなく、歯の色自体が変わってしまっている歯のこと。失活歯(神経の治療などをしてすでに死んでいる歯)は黒く変色してしまう。また、歯の形成時期に服用した抗生物質が原因で起こっている場合も有る。その場合は1歯ではなく、全体的に変色している。

ペンデュラム

上顎大臼歯の固定式遠心移動装置の一つ。口蓋に固定源を求めたレジンパッドとワイヤー、ワイヤーを挿入するスロットから構成される。

ホウプライヤー

歯列矯正用プライヤーの一つ。アーチワイヤーの把持、結紮などに用いられる。ヘッドの小さなスモールタイプも存在する。

ほうれい線

鼻唇溝(びしんこう)のこと。

保隙

ほげきと読む。乳歯が虫歯などで早く抜けてしまった場合、放置すると抜けたすき間に奥歯が倒れてきて永久歯が生えるすき間が無くなってしまうため、すき間を確保すること。クラウンループやリンガルアーチなどの装置が用いられる。

ポゴニオン

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎骨オトガイ隆起部の最突出点。ナジオンとポゴニオンを結んだ平面を顔面平面と言う。

拇指尺側種子骨

ぼししゃくそくしゅしこつと読む。sesamoid bone。手のレントゲンを撮った時に親指の根元に認められる小さな骨。思春期性成長スパートの直前に出現するため、成長の指標として用いられる。矯正治療の検査で撮影する頭部X線規格写真(セファログラム)に写る頸椎でも、同様に骨の成熟度を測ることができる。

保定

動的矯正治療終了後に歯並びが後戻りしないように、保定装置を用いて歯を良い位置に留めておくこと。一般的には2〜3年の期間をとる。取り外しのできる保定装置に関しては、徐々に使用頻度を減らしていく。

保定装置

リテーナー。動的矯正治療終了後に歯並びが後戻りしないように、歯を良い位置に留めておく装置のこと。取り外しのできるプレートタイプ(プラスチックのマウスピース)と、歯の裏側に接着し取り外しのできないフィックスタイプ(細い針金)がある。

補綴治療

クラウン(いわゆる差し歯、銀歯や白いセラミックの歯など)、ブリッジ、インプラント、デンチャー(入れ歯)など、喪失した歯を補うための治療のこと。補綴治療と矯正治療が両方必要な場合は、治療の順序を、治療開始前に良く検討することが肝心である。歯列矯正治療を行うと、歯の位置や噛み合わせが変化するため、補綴治療より矯正治療が先行することが多い。

矯正治療に矯正を専門とするドクターがいるように、補綴治療を専門に学んだドクターがいる。矯正を担当する歯科医師がそのまま補綴治療も行うということは、通常は無い。→インターディシプリナリーアプローチ

ポリオン

矯正歯科治療の分析で用いるセファログラムの計測点。骨外耳道の上縁の中点。あるいは、イヤーロッドの最上点。区別するために前者をアナトミカルポリオンと呼ぶことがある。

埋伏歯

口腔内に萌出せずに、歯槽骨の中に埋まっている歯のこと。本来萌出すべき歯が埋伏している場合、矯正治療で牽引することがある。

マウスピースを用いた矯正

歯列矯正用ブラケットとワイヤーを用いず、数週間おきに交換するマウスピースを装着することによって、歯を動かす矯正治療法。マウスピース型矯正装置(インビザライン)が有名で、世界で数百万人の治療実績がある。

醜いアヒルの子の時期

上顎の前歯が生えたばかりで、すき間が空いている時期のこと。ugly duckling stageと言う。隣の歯が生えてくると自然と閉鎖することが多いので、生えた段階で焦る必要はないが、問題がないかの判断は素人には難しいので、矯正を専門とする歯科医師への相談が勧められる。

ミニスクリュー

スクリュータイプの矯正用インプラントのこと。マイクロスクリューも同じ。補綴治療用のインプラントと比較して小さいことからこう呼ばれる。

ミニマムインターベンション

削る、抜くなどの歯に対する外科的な治療を最小限にとどめよういう考え方。抜歯の基準は一様ではないため、担当医によって同じミニマムインターベンションでも、抜歯の適応となる歯も有れば、そうでない歯も有る。

歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)

乳歯列から用いることができる、小児用のうけ口(前歯部反対咬合)改善のための装置。簡単に取り外しが可能である。乳歯列から矯正治療を開始することは少ないが、うけ口は放置すると骨格的な下顎前突に発展してしまうリスクが有るため、歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド) のような機能的矯正装置で早期に対応するこことも多い。就寝時の使用がメインとなる。

メジアルチューブ

第二大臼歯などの萌出が浅く、通常サイズのエンドチューブが接着できない場合に用いるエンドチューブのこと。近心咬頭の偶角に沿うベース形態となっている。

メントン

矯正歯科の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。Most inferior point on the synphyseal outline。下顎結合部正中矢状面の最下方に位置する点。

模型分析

矯正歯科における資料の分析の一つで、歯型から作成した模型を計測し、歯の大きさや歯並びの幅、歯槽骨の幅などを計測すること。一般的に計測する項目は、歯冠幅径、歯列弓幅径、歯列弓長径、Basal arch width、Basal arch length。計測には矯正歯科用ノギスを用いる。

モジュール

ブラケットにワイヤーを結紮する際に用いるゴムのこと。透明のものが一般的であるが、矯正治療をオシャレに見せて楽しみたい人のために様々な色のカラーゴムも有る。

八重歯

上顎の犬歯(糸切り歯)が歯並びの外側に飛び出して見える状態。矯正歯科学では犬歯の低位唇側転位と言う。

ヤングプライヤー

矯正歯科用プライヤーの一つ。直径0.6〜0.7mm以上の比較的太いワイヤーの屈曲に用いる技工用プライヤーである。ループの大きさを変えられるように、筒状の先端部が3段になっている。

癒着歯

2本の歯と歯がくっついた状態になっていること。2つの歯はセメント質のみでくっついている。本来抜ける時期が異なる乳歯がくっついてしまっうと、永久歯との生え変わりに支障をきたす場合があるため、注意が必要である。

癒合歯

2本の歯と歯がくっついた状態になっているもののうち、象牙質を含めて一体化したもの。本来抜ける時期が異なる乳歯がくっついてしまうと、永久歯との生え変わりに支障をきたす場合があるため、注意が必要である。

予測模型

セットアップモデルとも言う。矯正治療開始前の模型を複製し、1本1本歯をバラバラにして、治療終了時の歯並びに並び替えたシミュレーション模型のこと。

予防矯正治療

子供に対して行う、将来起こるであろう不正咬合に備えての矯正治療。予防的矯正治療、1期治療とも言う。

乱杭歯

らんぐいば。ガタガタの歯並びのこと。矯正歯科学では叢生(そうせい)と言う。汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高い。

リテーナー

保定装置と同義。矯正治療終了後に歯並びが後戻りしないように、歯を良い位置に留めておく装置のこと。取り外しのできるプレートタイプ(プラスチックのマウスピース)と、歯の裏側に接着し取り外しのできないフィックスタイプ(細い針金)がある。
アスティクスリテーナー(見えないリテーナー)

リテーナー洗浄剤

取り外しのできるマウスピースタイプのリテーナーの洗浄剤。薬局では売られていないため、矯正を専門とする歯科医院か、あるいは通販でも購入できる。材料が近い、部分入れ歯用の洗浄剤でも代用が可能である。全部入れ歯用の洗浄剤を用いると、金属部分が腐食してしまうため使用しない。

リラップス

矯正治療後の後戻りのこと。リテーナー(保定装置)の使用状況が悪いと起こりやすい。

リンガルアーチ

リンガルアーチ舌側弧線装置。矯正歯科治療における代表的な装置の一つで、様々な使用目的が有る。大臼歯のバンドを起点とし、直径0.8〜0.9mmの主線が小臼歯〜前歯部の歯頸部を沿うのが基本的な設計。そのまま装着し、保隙や加強固定を目的とすることも有れば、補助弾線をロウ着して、歯の移動を図ることも有る。

リンガルボタン

歯の移動や固定も目的として、様々なシチュエーションで歯面に接着される小さな金属のアタッチメント。透明のプラスチック製のものも有る。

ルートコントロール

歯根の向きのコントロールのこと。矯正治療をして一見綺麗な歯並びになっていても、骨の中の歯根の向きが整っていない場合も有る。歯根の向きまできちんと整えることが矯正歯科を専門とする医師には求められる。

ループフォーミングプライヤー

オメガループなどのアーチワイヤーに付与するループを成形するためのプライヤー。先端の筒状の部分が3段になっており、成形するループのサイズを変えることができる。

レジンリムーバー

ブラケット撤去後に歯面に残ったボンディング材を撤去するためのプライヤー。パッドの部分を臼歯の咬合面や、切歯の切縁に当て、先端を残存したレジンのエッジに引っ掛け、上方へ弾くように使用する。

連続抜去法

永久歯の萌出スペースが不足している場合に、永久歯列へのスムーズな交換を図る目的で、乳犬歯、第一乳臼歯、そして萌出した第一小臼歯を連続して抜歯すること。骨格的にIII級傾向のある症例には禁忌である。

鑞着

ろうちゃく。ワイヤーとワイヤーを銀鑞などでくっつけること。鑞着に必要なものとしてワイヤーの他に、トーチ、シルバーソルダー、フラックス、軽石などが挙げられる。

矮小歯

顕著に小さい歯のこと。上顎側切歯(真ん中から数えて2番目の歯)に多い。審美的に良くない場合は形態修正をすることができる。

ANS

矯正歯科治療の診断に用いるセファロ分析の計測点の一つ。Tip of the Anterior Nasal Spineの略。前鼻棘の先端のこと。

arch length discrepancy

アーチレングスディスクレパンシー。歯並びを整えるために、不足している、または余っているスペースのこと。単位はmm。スペースが不足している場合は-、余っている場合は+の符号をつける。

スペースが不足している場合は、歯並びは叢生(ガタガタ)になり、余っている場合は空隙歯列(すきっ歯)となる。スペースが足りない場合には、歯列矯正により歯並びの幅を広げたり、歯を後方に移動したりして、すき間を確保しますが、それでも足りない場合は抜歯が選択される。スペースが余っている場合も見た目や発音の問題から歯列矯正治療の必要が有り、すきっ歯のスペースの閉鎖を行う。

ディスクレパンシーとは不調和という意味で、アーチレングスディスクレパンシーの絶対値が大きいことは、歯と顎の大きさのバランスがとれていないことを表している。

Articulare(Ar)

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。アーティキュラーレ。Intersection of inferior cranial bas 〜surface and posterior surface of condyle. 下顎枝後縁と後頭骨基底部下縁の交点。

A-point

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。A点。前鼻前鼻棘と歯槽頂の間における上顎骨彎曲の最も深い点。Deepest point between ANS and the upper incisal alveolus.

Basion

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。バジオン。大後頭孔の最前縁部の正中点で,頭蓋底の最後橋。Most inferior point of external auditory meatus.

Bi-helix

2つのヘリカルループを組み込んだワイヤーの、歯列緩徐拡大装置。上顎にも下顎にも用いられる。

B-point

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。B点。下顎骨オトガイ隆起部の最突出点と下顎歯槽縁間の正中矢状断面上の最も深い点。Deepest point between Pogonion and the lower incisal alveolus.

cant

カント。咬合平面の傾きのこと。

Condylion(Co)

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。下顎頭の最上後方点。
It is the most superior point on the condylar head.*

Corpus

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。下顎下縁平面の左。the point of a tangent of the inferior border of the corpus; mandibular plane left.

distal drive

遠心移動のこと。

E-line

Esthetic line。イーライン、エステティックライン。鼻の頭と顎の最前点を結んだ線。横顔(側貌)を評価する際に、上下の唇がエステティックラインに近いものが良いとされる。

EOA

Extra oral anchorageの略。顎外固定装置。ヘッドギアのことを指す場合が多い。

fix type retainer

fix歯の裏側に歯科用接着剤で固定する、細いワイヤーの保定装置。フィックスと呼ばれる。

FKO

エフカオーと読む。可撤式機能的矯正装置の一つ。アクチバトールとも言われる。
成長期の子供の上顎前突(出っ歯)や、機能的反対咬合(うけ口)などの治療に用いられる矯正装置。

Gnathion

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。グナチオン。顔面平面 (Na-Pog)と下顎下縁平面となす角の二等分線がオトガイ隆起前縁と交わる点。on the born Gnathion, gnathion is the point of intersection of facial and mandibular planes.

Gonion

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。ゴニオン。下顎枝後縁(Ar-Ramus down)と下顎下縁平面が交わる角の二等分線が下顎骨縁と交わる点。the intersection of the lines tangent to the posterior margin of the ascending ramus and the mandibular base.

Hinge Axis

ヒンジアキシス。コンダイルの中心 。Co-Cr で使用する回転の中心。Center of Condyle.

impression

印象。歯型を採ること。

interdisciplinary

「学際的な」という意味。さまざまの領域の学者や専門の医師が協力し合うこと。歯科におけるインターディシプリナリーアプローチとは、虫歯は一般的な歯科医師、抜歯は口腔外科を専門とする歯科医師、歯列矯正は矯正を専門とする医師、歯内療法は歯内療法を専門とする医師、静脈内鎮静法は麻酔科を担当する医師が行うというように各分野を専門とする医師が協力して治療にあたることを言う。

Interincisal angle

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測項目の一つ。インターインサイザルアングル。上下顎中切歯の成す角度。前歯が唇側傾斜するほど鋭角となる。

Jasper jumper

ジャスパージャンパー。ノンコンプライアンスのII級矯正装置。噛み合わせると、上顎歯列が後方へ、下顎歯列が前方へ押される力が加わる。

Kobayashi hook

小林フック。尖端に顎間ゴムをかけるための小さなフックを、あらかじめ付けてある結紮線。

Le Fort I 型骨切り術

上顎骨を下鼻道の高さで水平に骨切りし、上顎の歯槽突起を骨口蓋全体を上顎骨体および蝶形骨翼状突起より完全に遊離、可動化させ、上顎を移動させる方法。

Lip bumper

Lip bumperリップバンパー。咬唇癖(下唇を噛む癖)の除去の目的で、用いられる取り外しのできる矯正装置。上顎前歯の舌側傾斜、下顎前歯の唇側傾斜(出っ歯の改善)、下顎大臼歯の遠心移動の効果がある。

Menton

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。メントン。下顎結合部正中矢状面の最下方に位置する点。Most inferior point on the synphyseal outline.

Nasion

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。ナジオン。鼻骨前頭縫合の最前点として定義される。'V' notch of frontal and nasal bone.

Orbitale

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。眼窩外縁上の最下方に位置する点。フランクフルト水平面に接する。Orbitale, Most inferior point of the orbital contour.

orthodontics

矯正歯科学、歯列矯正学のこと。矯正を専門とする歯科医師のことは、orthodontistと言う。

orthodontist

矯正を専門とする歯科医師のこと。

pendurum

pendurumペンデュラム。上顎大臼歯の遠心移動を目的とした固定式装置。違和感の大きい装置で、矯正用インプラントの登場によって使用される機会が少なくなってきている。

PM

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。PogonionB-pointの凸状から凹状に変化する変曲点。
Point where curvature changes between B-point and Pogonion.

PNS

後鼻棘の尖端。
Tip of the Posterior Nasal Spine.
ANSとPNSを結んだ平面をpalatal planeと言う。

Pogonion

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎骨オトガイ隆起部の最突出点。
Most anterior point of the symphysis.

Porion

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。解剖学的なポリオンは、骨外耳道の上縁の中点。器械的なポリオンは、イヤーロッドの最上点。
Anatomy Porion、Most superior point of external auditory meatus.

PT-point

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。X 線フィルム上で見られる翼口蓋窩後壁と正円孔下縁との交点。11 o'clock position of the pterygoid fissure.

quad-helix

quad-helix4つのヘリカルループを組み込んだワイヤーの、上顎歯列の緩徐拡大装置。クワドヘリックス。上顎の歯並びを広げるための矯正装置。ループを組み込むことにより、装置の弾性が増し、弱い力を持続的にかけることができる。

Ramus inclination

矯正歯科の診断に用いるセファロ分析の項目の一つ。FH planeに直交する直線とRamus planeの成す角度。

RME, RPE

RME RPErapid maxillary expansion, rapid palatal expansionの略で、上顎骨の急速拡大(装置)のこと。毎日朝晩の2回、自宅でネジを回すことにより、1〜3週間ほどで大きくスペースを獲得できる。上顎骨の正中口蓋縫合の離開が必要なため、骨化の進んだ成人では適用は難しい。拡大後の保定が必須である。

R1

歯列矯正の診断に用いるセファロ分析の項目の一つ。下顎枝の前方の(FH 平面に垂直な)最深点。
Deepest point on the curve of the anterior border of the ramus.

R3

歯列矯正の診断に用いるセファロ分析の項目の一つ。下顎頭と筋突起間の(FH 平面に平行な)最下点。
Most inferior point of the sigmoid notch of the ramus.

Sella

矯正歯科の診断に用いるセファロ分析の計測点の一つ。トルコ鞍中心点。S点はトルコ鞍の壷状陰影像の中心点と定義される。視診によって求める。Sella, A constructed point in the middle of the sella turcica.

SMAP

super mini anchor plateの略で、プレートタイプの矯正用インプラントの一つ。歯を動かすための絶対的な固定源となり、矯正治療終了後に撤去する。従来では外科的矯正治療を必要としたような症例でも、SMAPなどの矯正用インプラントを用いることにより、手術無しで治療ができる場合が有る。

SNA

矯正治療の検査で撮影するセファログラムにおける角度分析の計測項目の一つ。SN planeとA pointのなす角度。頭蓋骨に対する上顎骨の前後的な位置を表す。

SNB

矯正治療の検査で撮影するセファログラムにおける角度分析の計測項目の一つ。SN planeとB pointのなす角度。頭蓋骨に対する下顎骨の前後的な位置を表す。

SN plane

矯正歯科の分析に用いるセファロ分析の基準平面の一つで、SellaNasionを通る平面。

SSRO

Sagittal split ramus osteotomy.下顎枝矢状分割術。下顎の分割術式の一つで、最も多く施行されている術式である。

TAD

temporary anchorage deviceの略。直訳すると一時的な固定源となる装置なので、全ての固定装置を指すように思えるが、実際には矯正用インプラントのことを指す。歯を移動させるための絶対的な固定源として、ミニスクリューなどの矯正用インプラントを骨に埋入し、不要になった段階で抜釘する。

v-bend

コントラクションを進めていき、オメガループがエンドチューブに当たった場合などにアーチワイヤーに付与するベンド。v-bendを付与することにより、ループを再活性化することができる。

W-type拡大装置

ワイヤータイプの歯並びの幅を広げる装置。直径0.7〜0.9mmのワイヤーで製作される。ヘリカルループを2つ組み込んだバイヘリックスと、4つ組み込んだクワドヘリックスが有る。

Xi

Xi(ザイ)は下顎枝のほぼ中央、下顎神経の入り口である下顎孔付近を表す点。Ricketts分析法で側貌セファログラム分析を行う場合に求める。

Y-axis

歯列矯正の診断に用いるセファロ分析の計測項目の一つ。SellaGnathionを通る直線とFH平面とが成す角度。

Zurich maxillary distracter

チューリッヒマキシラリーディストラクター。口唇口蓋裂患者の上顎発育不全に対して用いる、創内固定型の上顎骨仮骨延長装置。

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